伊良原ダム

[出典:福岡県 HP]

[出典:大成建設株式会社HP]

1. 伊良原ダムの概要
伊良原ダムは、祓川水系祓川の福岡県京都郡みやこ町犀川下伊良原地先に多目的ダムとして建設するもので秡川総合開発の一環をなすものである。
ダムは、重力式コンクリートダムとして高さ81.3m、総貯水容量28,700,000m3、有効貯水容量2,7,500,000m3で洪水調節、流水の正常な機能の維持及び水道用水の供給を目的として建設された。
[出典:伊良原ダム工事記録 p1-1]
2. ダム概要図



[出典:伊良原ダム工事記録 p1-7~10]
3. 地形・地質概要
3.1 ダムサイトの地形
ダムサイトは祓川の中流部に位置する。中流部は河川沿いに幅100m以上の谷底平野が発達し、谷幅の狭い箇所は、図2.5.1に示すように広瀬地区と高座地区の中間にあたり、そこにダムさいとが位置する。
ダムサイトは、秡川が反時計回りに曲流する箇所にあり、河床標高はEL.143m、河床幅は20~40mで、ダム天端のEL.213.3mにおける谷幅は280mで、両岸とも急斜面の地形をなす。
左岸に鞍部があるが、地下水位はサーチャージ水位EL.209.2m以上にあり、漏水の問題はないと考えられる。左岸はダム軸下流で尾根をなし、その上下流とも谷幅が広くなり、地形的にダム左岸取り付け部は、この位置に制約される。


[出典:伊良原ダム工事記録 p2-18]
3.2 ダムサイトの地質
ダムサイトの基礎岩は中生代白亜紀の花崗岩類からなる。花崗岩類は、鉱物組成などから閃緑岩、黒雲母花崗岩、優白質花崗岩、斑状花崗岩に区分される。
調査・設計段階では、左岸~河床深部では優白質花崗岩、右岸~河床部では黒雲母花崗岩が主体をなし、両者とも塊状で堅硬な岩盤をなす。左岸上部などに閃緑岩の貫入が見られる。また、基礎岩を覆って、河床周辺に段丘堆積物や河床堆積物が、また、斜面の一部に崖錐堆積物が分布する。

施工段階で掘削面の地質状況を再確認した。結果、黒雲母花崗岩、優白質花崗岩、閃緑岩の分布は、調査・設計段階と概ね同様な分布を示す。また、閃緑岩は一部複雑な貫入形状を示す。
黒雲母花崗岩、優白質花崗岩、閃緑岩それぞれの境界は密着しているものが多く、また、善意的に変化している部分も認められることから、岩相境界に弱部は認められない(写真2.5.1参照)。

[出典:伊良原ダム工事記録 p2-19~23]
4. 設計概要 (特徴的な内容を抽出提供)
・ダム型式
伊良原ダムは、ダム規模(H=81.3m)と地形・地質条件を勘案し、重力式コンクリートダム形式を採用した。
ダム基本三角形は、安定計算結果から基本的に上流面勾配を鉛直とし、下流面勾配を1:0.77とした。なお、BL.11〜BL.14は、堤趾部の基礎岩盤状況から下流下がりの断面となるため、取付標高EL.144.5m、勾配1:0.6のフィレットを配置した。
[出典:伊良原ダム工事記録 p3-3]
・左岸アバット部
左岸アバット部は、地形条件及び地質条件を考慮し、求められる基礎岩盤強度(CL級以上)が確保可能な①堤頂延伸案(A軸)、②造成アバット案(A‘軸)を設定し、経済性に優れる②造成アバット案(A‘軸)を採用案とした。その後、種々の調査・試験の結果から、造成アバット背面の遮水性が確保をできないことから、堤体ブロックに変更し、CLL級岩盤を基礎とする形状に変更した。

[出典:伊良原ダム工事記録 p3-3~4]


[出典:伊良原ダム工事記録 p3-26~27]
・右岸アバット部
右岸アバット部は、直線軸としてCL級岩盤に着岩させるために10m程度堤頂を地山に突っ込む必要がある(堤頂長309m)ため、地形改変が大きくなるとともに経済性に劣る。
このため、右岸アバット部を下流に向かって20度折り曲げ、堤高を低くするとともに堤頂長を短く(堤頂長)295mした。
[出典:伊良原ダム工事記録 p3-4]

・洪水吐き及び減勢工
常用洪水吐き、非常用洪水吐き、減勢工では、縮尺1/50の水理模型実験を行い、その放流能力、流況や作用圧力等の確認を実施した。
[出典:伊良原ダム工事記録 p3-37〜61]

5. 施工概要 (特徴的な内容を抽出提供)
・施工設備概要
当ダムの施工設備は、以下のとおりである。
図-5.1.1に施工設備全体配置図を示し、図-5.1.2に施工設備の全体フローシートを示す。
(1) 材料採取(現関山)
(2) 骨材製造設備、骨材貯蔵設備、骨材輸送設備
(3) コンクリート製造設備
(4) コンクリート打設設備
(5) 基礎処理設備
(6) 濁水処理設備
(7) 給気、給排水設備
(8) 工事用電力設備
以下では、主要設備であるコンクリート製造設備、コンクリート打設設備、骨材製造設備等について概要を示す。


[出典:伊良原ダム工事記録 p5-2]
・コンクリート製造設備
コンクリート製造設備は、以下のとおりとし、ダムサイト右岸に設置した。

