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​はじめに

 ダムは、水資源の創出、自然災害の低減・防除、自然エネルギーの獲得を目的とするものであり、基本的な社会基盤施設として、我が国の治水・利水に大きく貢献してきました。また、ダムは、立地条件となる地形・地質・自然環境条件に加え、事業目的や社会的条件等に関連して、個々が独創的で巨大な人工構造物となり、地域社会と融合した社会インフラとなっています。

 ダムを取り巻く環境を振り返ると、行財政改革あるいは財政再建のスローガンに呼応して公共事業不要論が声高に論じられ、社会資本整備の中で超大型の構造物であり、社会的・自然的環境に与える影響が大きいことに起因して、ダム建設に対する批判の声が大きくなった時代も経験しました。その後、社会・経済の動向を反映してダム事業の見直しが行なわれ、その声も縮小してきています。近年では、地球温暖化の影響に起因して、治水・利水リスクが顕著な形で大きくなり、洪水や渇水の発生が各所で見られるようになってくるとともに、ダムの役割が大きく見直されてきています。これに対し、新規ダムの建設に加えて、社会的環境条件の変化を踏まえた既設ダムの再生、操作運用の見直し、水力発電の新増設などのハイブリッドダムの取り組み等が始まっているところです。

 ダム工学会九州ブロックでは、一般市民・ダムマニア・ダム技術者・学識者との交流を通して、ダムに関する基礎知識や情報を社会に発信するとともに、多くの方々がダム見学に出かけるための「ダムへの架け橋」になることを目指すものとして、 「with Dam Night(ウィズダム・ナイト:略称wDN)」を開催してきました。サブタイトルを「ダムのドラマを語る夜☆」としておりますが、一夜のシンポジウムを通じてダムの魅力を発見・発信する九州のダムにスポットを当てたイベントとなっています。今後とも、益々盛況なイベントとして継続開催していきたいと考えています。

 さて、wDNは、年1回の一夜だけのイベントであり「ダムへの架け橋」として一役を担っていますが、ダムに関わる身近なものとはなっていないのが実情です。

 近年、DXが大きく進展し、PCや携帯サイトがもたらす情報量は大きなものとなっています。特にダムに関わる情報については、日本ダム協会の「ダム便覧」が最上位の情報提供の場となっていますが、その他は各事業者からの情報提供を除くと、ダムマニア等が提供するSNSや各種提供サイトが確認されます。ただし、これらのサイトは、各ダムの諸元の他、訪問記録としての写真や感想が記録される限定的な内容に留まっています。

 そこで、本HPは、wDNの基本趣旨をもう一歩進めるべく、個々のダムが有する特徴について、公開されている工事誌や論文等で確認できる内容が一般の方にも届くよう、九州・沖縄地方に限定していますが、系統的な情報提供サイトとして立ち上げたものです。九州・沖縄地方のダムについて、より親しみやすく、また分かりやすく理解していただきたいという思いでの情報提供の場とするものです。少しでも、多くの皆様の知識の蓄積を図り、さらなる「ダムへの架け橋」となるよう願うところです。

 なお、本HPは、既往の工事誌や論文等の情報を中心に提供するサイトとなっています。このため、一般の方には理解困難な専門用語も多く含まれています。理解が難しい専門用語等は、「ダム便覧」で提供される「ダム辞典」等の活用を図りながら、理解を進めていただくようお願いいたします。

 また、本HPを提供するにあたり、著作権が関連するため、極力出典等を明らかにするとともに、引用文は斜体で示す等の工夫を行っております。紹介文の執筆は、当学会員のダム技術者が担当しておりますが、担当者による一部の加筆さらに写真提供内容も含まれております。

 

※当サイト内の文章、画像、データなどすべての内容の無断転載を禁じます。

 

令和5年11月4日

一般社団法人ダム工学会 (九州ブロック代表)

九州大学 教授  矢野 真一郎

一般社団法人 ダム工学会(九州ブロック)

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